2014 年 7 巻 2 号 p. 81-92
新しい太陽エネルギー変換技術の実用化および再生可能エネルギー社会の実現のためには、今から方向性を見定めて段階的かつ戦略的に研究することが重要である。この論文では、「ソーラー水素製造」の意義を明確化した。さまざまなソーラー水素製造技術を比較し、その実現可能性を議論した。特に著者らが開発した産総研の独自技術である「光触媒-電解ハイブリッドシステム」について、他の技術と比較しながらその有効性を検討した。コスト試算を行うことで、このシステムが低コストのソーラー水素製造のための有力な候補技術になることを示すとともに、その実用化に向けたシナリオについて議論した。