耐熱ばね用として開発された窒化珪素の静疲労試験は平滑材および表面き裂材を用いて, 1200℃, 大気中で3点曲げ試験により行われた。 また, 室温および高温 (1100-1200℃) での破壊応力のき裂寸法依存性を調べた上, 本供試材へのプロセスゾーン寸法破壊基準の適用性について検討した。 その結果, 室温はもちろん高温においても, 有効であることが判明した。
本実験において, 微細構造の制御により高強度の, 柱状粒子によるき裂の偏向と架橋効果により高じん性窒化珪素セラミックスが得られた。 試験片表面での半円き裂長さが650μmの時静疲労限度は120MPaであった。 その時の疲労寿命は107秒であり, 報告されているそれより長かった。 このような静的試験および静疲労試験の結果, 本窒化珪素は耐熱用ばね材料として有用なものと判断された。