1996 年 54 巻 1 号 p. 27-32
骨形成に及ぼすビタミンK2 (メナキノン-4;MK-4) 及びビタミンD3 (D3) の効果を, 異なる週齢のラットを用い検討した。
成長期 (5週齢) 並びに成熟期 (33週齢経産) のWistar系雌ラットをそれぞれ4群に分け, D3添加した場合のK欠乏飼料とMK-4添加飼料, D3欠乏させた場合のK欠乏飼料とMK-4添加飼料を与える実験を行った。1か月後の血清及び脛骨の変化を観察した。D3欠乏飼料投与により, 成長期並びに成熟期ラットの血清カルシウム濃度は有意に低下した。また, 成熟期のラットに, D3欠乏飼料にMK-4を添加した飼料を投与すると, 血清カルシウム濃度は有意に上昇した。しかしながら, 成熟期のラットにおいては脛骨灰分及びカルシウム含量に変化はみられなかった。成長期のラットにおいてはMK-4投与により, 脛骨灰分及びカルシウム含量が有意に増加した。
以上の成績より, ラットにおけるMK-4の骨形成促進効果は, 本実験では成熟ラットの場合には認められなかったが, 成長期のラットを用いた場合でのみ認められた。