栄養学雑誌
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中年男性におけるセレン摂取量と食品群別摂取量及び栄養素等摂取量の関連
由田 克士田畑 正司木村 律子宮下 良林 宏一相良 多喜子中川 秀昭
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1998 年 56 巻 3 号 p. 139-148

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抄録

中年男性461人を対象に栄養調査を実施し, セレン摂取量と他の栄養素等摂取量, 食品群別摂取量, 食品群別セレン摂取量及び寄与率の関連について検討し, 以下の結論を得た。
1) セレンの平均摂取量は126.6μg/日であった。
2) セレンの主な給源は魚介類, 卵類, 肉類であった。このうち魚介類の摂取量は, セレンの総摂取量や各食品群からの寄与率に極めて強く影響していた。
3) セレン摂取量の25%タイル値, 75%タイル値で3群に分割し, 栄養素等摂取量を比較すると, セレン摂取量の高い群となるほど糖質, 脂質, ビタミンCを除く全ての栄養素等摂取量は高値を示していた。また, この傾向は摂取エネルギー量を調整して検討しても変わらなかった。
4) セレンの摂取量は, 糖質を除く全ての栄養素等摂取量との間で正の相関を認めた。
5) セレンの摂取量は, 魚介類, 卵類, 肉類の他, 野菜類, きのこ類, 海草類, 日本酒及びビールの各摂取量との間でも正の相関を認め, 加工食品の摂取量との間で負の相関が認められた。

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