音声言語医学
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Spastic Dysarthriaにおける発話メカニズムの運動機能 (1)
―生理学的アプローチにもとづいた包括的評価―
西尾 正輝
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1993 年 34 巻 2 号 p. 158-180

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抄録

Spastic dysarthriaにおける発話メカニズムの運動機能を生理学的アプローチにもとついて包括的に検討した.検査課題は6大項目 (全身運動機能, 呼吸機能, 発声機能, 鼻咽腔閉鎖機能, 構音運動機能, 摂食機能) 69小項目から構成した.これを健常者群とspastic dysar-thria群各15例に実施し, 主として以下の結果を得た.
1) 健常者群との比較では, 大項目では全大項目で, 小項目では統計処理可能であった67小項目中54小項目で有意に低値を示し, 機能の低下が発話メカニズムの広範におよぶ傾向がみられた.
2) 発話の重症度得点 (明瞭度と異常度の和) との比較では, 大項目では全大項目で, 小項目では統計処理可能であった67小項目中41小項目で有意な相関を認め, 治療プランを選択するうえで有用性の高い運動課題が示された.
以上の結果にもとついて, dysarthriaの神経学的検査法について検討を加えた.

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