日本化粧品技術者会誌
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示差走査熱量測定 (DSC) による口紅の酸化安定性評価
宮脇 維章酒井 剛小西 宏明
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1998 年 32 巻 2 号 p. 186-189

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抄録

従来, 口紅の酸化安定性評価は, 官能評価やAOM試験等を利用して判断されている。しかしながら, 官能評価の結果は評価パネルの水準に左右され, AOM試験は結果が得られるまでに多くの期間を必要とする。そこで, 我々は示差走査熱量測定 (DSC) により, 口紅の酸化安定性の評価法を検討した。DSCにより口紅の酸化誘導期を求め, 加速試験において口紅から変臭が発生するまでの時間と対比した。その結果, 酸化誘導期が短い口紅は変臭発生までの時間が短かった。さらに, 酸化防止剤を添加した口紅の酸化誘導期は無添加品と比較して酸化誘導期が長くなり, 変臭発生までの時間も長くなった。これらの結果より, DSCによって求めた酸化誘導期から, 口紅の酸化安定性を短期間で予測できると考えた。

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