厚付け無電解銅めっき液のホルムアルデヒドフリー化を目的に, グリオキシル酸を還元剤とした無電解銅めっき液を検討した。ホルムアルデヒドを還元剤とした場合と同じ添加剤を用いて, 還元剤をグリオキシル酸に置き換えることで良好なめっき特性を得たが, グリオキシル酸の副反応量が多く問題であった。pH調整剤をNaOHからKOHに変更し, めっき液のpHを低く制御することで副反応速度を小さくできた。また, KOHを用いることで副反応による生成物塩の溶解度が向上したため, めっき液中への生成物塩の析出が抑制でき, めっき液の寿命を約5倍長寿命化できた。以上の条件で試作した基板はいずれも良好なスルーホール接続信頼性を示した。