日本臨床薬理学会学術総会抄録集
Online ISSN : 2436-5580
第44回日本臨床薬理学会学術総会
セッションID: 44_3-C-FS-3
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臨床薬理集中講座フォローアップセミナー
臨床薬理学集中講座受講者による多施設共同研究
*武智 研志
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抄録

臨床薬理学は、実臨床で薬物療法とそれを支える臨床薬理学の重要性が益々高まっており、臨床薬理学の将来を担う研究者の育成が求められています。臨床薬理集中講座は、若手の医師及び薬剤師等が臨床薬理学を体系的・集中的に研鑽する場として、薬物療法の基本を実践し、臨床試験を通じたエビデンスの創造・発信のできる医療従事者・研究者の育成を目指して2016年より開講されており、今年度で第7回が開催され、これまでに多くの研究者が参加しています。本受講者が、さらに臨床薬理学者としての経験を積むことは研究者育成の観点においても非常に重要と考えられます。すなわち、受講後その知識を活かせる臨床研究の場が必要と考えられます。一方、多施設共同研究は、複数の施設で研究を行うことにより、一定の期間内に対象症例を数多く集めることができ、対象症例の偏りを回避できるなど、臨床研究上のメリットが考えられますが、多施設共同研究を経験した若手研究者は少ないのが現状です。そこで、我々は本講座受講者によびかけ、多施設共同研究を計画してきました。その一つとして、抗がん剤誘発末梢神経障害の予防に関するドラッグリポジショニングの多施設共同研究を立ち上げ、実施してきましたので現在までの実施状況を本セミナーでご紹介したいと思います。直近の1年間では、Webを用いた定期ミィーティングを通じて、データシートの作成やEDC入力の構築などを行い、多施設のカルテ情報を集約することができ、解析段階まで到達しました。これら一連の作業を共同研究者と共有しながら共同研究を進めることで、参加者は作業方法を学ぶだけでなく、研究方法の能率化や研究内容のブラッシュアップを図る機会となりました。また、本セミナーでは、実施した共同研究の経験を通して、共同研究の実学的なメリットや反省点もご紹介できたらと思います。本発表が、臨床薬理学を軸として共同研究の開始や、臨床研究をブラッシュアップいただける場になるように、より多くの方々の参加やご意見を頂ければと思います。

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