日本臨床薬理学会学術総会抄録集
Online ISSN : 2436-5580
第43回日本臨床薬理学会学術総会
セッションID: 43_3-C-S29-4
会議情報

シンポジウム
新興感染症との対峙 AMEDの立場から
*藤江 昭彦
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

日本医療研究開発機構(AMED)の創薬事業部(iD3)は、2015年設立以来オールジャパンでの医薬品創出実現のため、創薬ブースター事業により、アカデミア発創薬シーズの研究戦略、技術支援、知財戦略策定、企業導出活動を通じて実用化に向けた支援を行ってきている。この事業において、演者は、感染症領域の創薬コーディネーターとして、国際的な対策が急務となっている薬剤耐性菌の問題の解決に必要な新たな抗菌薬の創出にも取り組んできた。

一方、この問題を克服するための抗菌薬の研究開発は、もはや国内の製薬企業一社だけでグローバル展開することは困難な状況になってきている。このような状況のもと、AMEDの支援事業から生み出される成果をどのように実用化のゴールに繋げるかは大きな課題であり、この克服のためにも産学連携は大変重要な鍵となっている。このため、2018年に「AMED感染症創薬産学官連絡会(https://id3catalyst.jp/apid/)を設立し、アカデミア(日本感染症学会、日本化学療法学会を含む感染症関連の7学会)や製薬協に所属する感染症関係の企業メンバーと共に、日本版PPL(Priority Pathogen List)第1版(https://id3catalyst.jp/apid/list.html)を作成し、感染症領域の創薬研究の活性化を図ってきた。

2020年の新型コロナウイルスのアウトブレーク以降、演者は創薬ブースター事業に加え、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン開発事業」、および、「新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業」を通じたCOVID-19関係の疫学、基礎研究、治療薬開発などの支援を通じた研究支援にも携わってきている。

本講演では、これらの事業を通じて演者が感じてきた感染症創薬関係の課題と今後どのようにこれらの課題を克服していくかについて演者の考えを述べたい。

著者関連情報
© 2022 日本臨床薬理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top