日本臨床薬理学会学術総会抄録集
Online ISSN : 2436-5580
第43回日本臨床薬理学会学術総会
セッションID: 43_2-C-O07-5
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一般演題 口演
非対面コミュニケーション環境におけるARO-PMOのパフォーマンス向上を目指したコミュニケーション方法
*萩森 奈央子関 哲郎藤田 靖之川本 篤彦
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抄録

【目的】COVID-19パンデミックの今後の動向は不明であるが、非対面コミュニケーション環境は社会標準として定着しており、当センターでも在宅勤務が主流となった。元来AROにおけるプロジェクトマネジメント部門(ARO-PMO)では、不確実性を含む非定型業務が多く個人のスキルに頼る面が強いため、職員間のコミュニケーションに積極的ではなかった。しかし、在宅勤務が主流となり対面の場が減ることで、メンバーの表情・姿勢や身振り等の非言語情報を汲み取ることが困難な状況 になったため、コミュニケーションの重要性が増している。非対面コミュニケーション環境下でのARO-PMOのパフォーマンス向上を目指した、コミュニケーションのあり方について検討した。【方法】メンバーにアンケートを実施し、現状の不足している情報や適切と考えるコミュニケーション方法等を調査し、調査結果を踏まえて検討会を実施した。【結果・考察】アンケート及び検討会では、コミュニケーション不足を大半のメンバーが感じていた。理由は「業務の関わりのある人へしか連絡を取らない」「業務遂行上、支障がある」等であった。不足情報は「スキル・経験」「組織固有の手順・情報」等であった。勤務歴の差によっても感じ方に差があった。一方で、不足を感じていない者も複数名あり、その理由は「電話で話す」「一対一のコミュニケーションが増えた」であった。一方で、言語化が難しい部分や誤解を招かない伝達のために言語化スキル向上の努力も伺われた。「WEBより対面会議が良い」という意見が半数以上占めたが、メンバーが一同に顔を合わせることが必要という意見は概ね一致していた。そこで、在宅勤務下で情報共有を目的とするWEB会議を2週間毎に実施することとした。Keep-Problem-Try(KPT)において「方法(司会、頻度)を再考したい」「話す機会があることはよい」「急な困り事には不向きだが慢性的な問題を相談する場にしたい」「本音が出ていない」等の意見があり、期待値は少なくないと思われた。また、業務改善提案もなされ、他部門への展開も見られた。【結論】ARO-PMOにおいて、スキルや経験を共有し最適な方法をメンバーで再考する機会は必要であると考えられた。WEB会議も有用であり、場を提供することは重要であると考えられた。加えて、個々にコミュニケーション不足を解消するための非対面コミュニケーション環境における工夫や努力も必要である。

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