2020 年 7 巻 p. 67-81
本稿は、地域防災活動におけるインクルーシブという視点に注目しながら、地域防災活動の経緯と課題を整理し、新たな防災活動(防災第3世代)を提唱し、今後の展望を述べたものである。まず、新しく出発した雑誌「未来共創」の特集「インクルージョンと共生」の一部であることから、共生と共創について、また、インクルージョンについて概念整理を行った。次に、インクルーシブ防災の現状を簡単に整理し、これまでの地域防災活動を歴史的に整理して防災第1世代、防災第2世代に分類した。続いて、筆者が共同研究者や実務家とともに取り組んでいるインクルーシブな新しい防災活動の概略を紹介し、それを防災第3世代と位置づけた。最後に、防災第3世代の活動は、まちづくりに織り込まれることによってインクルーシブ防災として行われうるという展望を示した。