整形外科と災害外科
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当院における橈骨遠位端骨折の骨粗鬆症治療状況
瀬戸 哲也鎌田 敬子川上 泰広越智 康博國司 善彦木戸 健司
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2019 年 68 巻 2 号 p. 284-286

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抄録

橈骨遠位端骨折の発生率は高齢化社会に伴い増加傾向にあり,多くは脆弱性骨折であるため受傷後は他の骨脆弱性骨折が発生するリスクが高まるとされている.そこで当院における橈骨遠位端骨折に対する骨粗鬆症治療状況を調査した.対象は2015年4月から2018年4月までに当院で手術を施行した50歳以上の橈骨遠位端骨折43例とし,骨粗鬆症の薬物療法実施状況を調査した.平均年齢68.8歳で,全例受傷機転は転倒であった.骨折型は単純型(B1・B2・C1)が20例,粉砕型(A2・A3・C2・C3)が23例で半数以上が粉砕型であった.既存脆弱性骨折を4例で認めたが,受傷前から骨粗鬆症治療が導入されていた症例はなかった.受傷後13例で骨密度検査が施行され,5例で骨粗鬆症治療が導入されていた.骨粗鬆症検査,治療導入とも十分ではなく,今後骨粗鬆症治療・骨折連鎖予防への意識を高め,積極的な治療介入を進めるべきと考える.

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© 2019 西日本整形・災害外科学会
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