整形外科と災害外科
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矯正ギプスで加療した早期発症側彎症の3例
日高 亮山元 拓哉川畑 直也田邊 史あべ松 昌彦河村 一郎小宮 節郎
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2015 年 64 巻 2 号 p. 322-324

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抄録

(はじめに)矯正ギプス施行後5年以上経過した早期発症側彎症(Early Onset Scoliosis以下EOS)の3例について報告する.(症例1)13歳女児.四肢短縮型の骨系統疾患を伴う腰椎側彎症.4歳時Cobb角38度でBoston brace開始.7歳で45度となり矯正ギプス施行.13歳で54度となり,T12-L4の前方固定術を施行した.(症例2)10歳女児.特発性側彎症.1歳時46度の胸椎カーブを認め装具療法開始.4歳で68度となり矯正ギプス施行.6歳で75度となり,growing rod法施行し経過観察中.(症例3)10歳男児.完全脳梁欠損,心房中隔欠損,Mental Retardationを伴う.2歳で87度のlong Cカーブを認め装具療法開始.3歳時矯正ギプス施行し24度まで矯正された.5歳で76度となりgrowing rod法に変更.10歳でT2-L3の後方固定術を施行.(考察)3症例は3年から6年程度手術のタイミングを送らせる事が出来,呼吸機能とADLの維持は良好である.主カーブおよび代償性カーブの進行遅延は装具単独より期待し得ると思われ有用な保存療法の選択肢といえる.(まとめ)1. 矯正ギプスで加療した早期発症側彎症の3例について報告した.2. 3-6年程度の手術時期の遅延が得られ,本法は有用と考える.

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© 2015 西日本整形・災害外科学会
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