2013 年 62 巻 4 号 p. 707-709
Crowned Dens Syndromeとは,1985年にBouvetらによって報告された,急性の後頸部痛をきたす軸椎歯突起周囲の結晶誘発性関節炎である.今回,我々はCrowned Dens Syndromeの3症例を経験したので報告する.症例は男性1例,女性2例で,いずれも70代で急性発症の頸部回旋時痛で発症した.うち2例はCRPの上昇が見られ,3例とも軸椎歯突起周囲の石灰化像は単純X線像では見出せなかったが,単純CT像で確認することができた.いずれもNSAIDsで数日以内に症状は改善した.高齢者の,急性に発症する強い頸部痛の原因としてCrowned Dens Syndromeを念頭に置く必要がある.