整形外科と災害外科
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各種画像検査が診断・治療に有用であった関節リウマチ症例の検討
岸本 勇二岡野 徹萩野 浩豊島 良太
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2010 年 59 巻 2 号 p. 301-305

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抄録

【目的】単純X線以外の画像検査が診断・治療に有用であった関節リウマチ(RA)症例を報告する.【症例1】66歳,男性.左手関節の単関節炎が遷延していた.左手関節MRIで滑膜炎,骨びらん,および骨髄浮腫を認め,単関節炎型RAと診断,メトトレキサートを開始したところ,関節炎は改善した.【症例2】44歳,女性.Sjögren症候群の治療歴がある.多関節の疼痛を認めるも腫脹はなく,非特異的な関節痛との鑑別を要したが,FDG-PETにて肩・肘・指節関節に集積を認め,滑膜炎の存在が示唆されたため,RAと診断した.【症例3】41歳女性.指節関節を中心としたRAで,炎症反応検査値は基準値上限をわずかに上回る程度であり,疾患活動性の客観的マーカーに乏しかったが,指節関節の超音波検査にて,滑膜炎とその血流シグナルを追跡したところ,メトトレキサート増量後に血流シグナルの減少を認め,治療効果判定に有用であった.

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© 2010 西日本整形・災害外科学会
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