応用統計学
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関数データ解析における関数回帰分析の拡張
下川 真由子水田 正弘佐藤 義治
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2000 年 29 巻 1 号 p. 27-39

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抄録

時系列データに代表されるように個々のデータが本質的に関数で表現される場合でも,一般にデータは関数をサンプリングした離散値でしか得られない.しかしそのようなデータは本来,ベクトルデータとして扱うよりはむしろ,そのまま関数として扱う方が自然である. J.O.Ramsayらが提唱した関数データ解析は,データがベクトルではなく関数である場合の有効な解析法として注目されている.主成分分析,回帰分析等の多変量解析の手法を関数データに対する手法に拡張することは関数データ解析の課題の一つである.
本論文では回帰分析に関して,Ramsayらの関数回帰モデルを,説明変量にあたる関数が複数ある場合に拡張する.またこのモデルの重み関数を推定するためのアルゴリズムを導出する.最後に適用例として,気象データを用いて年間の降水量と日照時間の関数,および緯度の値から気温の関数を予測する関数回帰分析を行ない,その結果を評価する.

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