日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: SS-045
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公募シンポジウム
展結(transdiction)について
サトウ タツヤ安田 裕子宮下 太陽田中 千尋土元 哲平森 直久神崎 真実
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抄録

展結(transdiction)とは,帰納,演繹,発綻(Abduction)同様,推論形式の一つである。仏の哲学者シモンドン(Simondon)によれば,展結は新しい次元を作ることによって新しい解決ができ,かつ,それまでの情報が全て新しい次元で表現できるような解決の発明(か発見)である。シモンドンは「真の発見の歩みはー略ー展結的である。つまりそれは諸次元の発見に対応しており,これらの次元を通じて問題設定は定義されうる」と述べている。問題解決は人生径路においても重要であり,人生径路における選択を記述し環境からの逆風や支援を可視化・モデル化する複線径路等至性アプローチの分析概念としても有効なはずである。今回は展結が持つ哲学上・心理学史上の位置(古くはシュテルンやピアジェも言及していた)を確認した上で,TEAの分岐点における自己内対話や想像力/構想力(Imagination)とどのような関係にあるのかを考察する。またTEAへの実装の例として,看護教育において「専門分化的な看護師」像と「ジェネラル看護師」像のどちらかを選ぶべきと考えている人が展結的解決に至った径路に関するTEM図の検討を行う。

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