日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第84回大会
セッションID: PE-004
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5. 犯罪・非行
心理系大学生の司法・犯罪分野への意識・認知度調査II
*小正 浩徳廣橋 諒一武田 俊信
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抄録

公認心理師養成に向けた心理学と法学の融合的教育の在り方を模索するため,関西圏の私立大学3校の心理学系学部・学科に所属する1,2年生287名(1年生200名,2年生87名;男性52名,女性235名,年齢18-29歳(平均19.20歳(SD=0.96))を対象に,質問紙にて司法分野への興味関心,教育資源に関する認知度を調べた。

結果,職域や知識として,司法分野に触れることを望む学生は調査人数の半数を超えていた(160名,55.7%)。また,施設等への見学への興味も高い(177名,61.7%)。一方で,講義を受講することから興味関心を持った学生も一定数おり(45名,15.8%),講義が開講される場所として所属する学科・専攻等を希望していること(138名,48.1%)から,所属学科等での受講機会を増やす必要が考えられた。将来のキャリア選択の視点からは,司法分野への就職を希望する者は少なく(33名,11.5%),知識を得ることとの間に乖離がみられた。それゆえ,心理学と法学の融合的教育の一つとしてイントロダクション的講義を行うことができれば,司法分野における公認心理師としての支援の在り方を学ぶだけではなく,大学初年次生へのキャリア教育になる可能性も考えられる。

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