主催: 日本心理学会第84回大会準備委員会(東洋大学)大会長 大島尚
会議名: 日本心理学会第84回大会
回次: 84
開催地: 東洋大学白山キャンパス
開催日: 2020/09/08 - 2020/11/02
大学生は,時間的・社会的制約が低下しがちで,健康リスクを回避する態度・行動の獲得は,後の健康行動にも繋がり重要である。特に近年その問題が注目されているインターネット長時間使用の理解は重要な課題であるが,日本の大学生におけるその実状の把握は不十分である。本研究では長時間使用に結びつく背景要因や使用スタイルを幾つかのタイプに分けて捉えるため,使用目的13項目に該当全て並びに主な目的2つの回答を求めた大学生360名のデータを再分析した。
使用目的のみに基づくクラスタ化で得られた6クラスタにも背景要因等に特徴が認められた:①長時間使用が多く衝動性が高い主にゲームで使用するクラスタ,②長時間使用が少なく,依存性,孤独感,衝動性いずれも低い主に音楽視聴で使用するクラスタなど想定されたクラスタの他,③孤独感が高いが,衝動性低く,保健行動の取り組みも高いにもかかわらず長時間使用がみられるSNSをほとんど使わないクラスタ,④依存傾向が高く長時間使用がみられる主にSNS・動画利用のクラスタが認められた。大学生の問題のあるインターネット使用への適切な介入を検討する上で使用目的の情報を考慮することの有用性を示唆する。