主催: 日本心理学会第84回大会準備委員会(東洋大学)大会長 大島尚
会議名: 日本心理学会第84回大会
回次: 84
開催地: 東洋大学白山キャンパス
開催日: 2020/09/08 - 2020/11/02
問題と目的 研究2では,研究1で作成した女性観尺度と従来の女性観に関する測定尺度との関連性を検討し,研究1で作成した尺度の妥当性を確認することを目的とした。
方 法 研究1と同様の対象者に倫理的配慮を行った上で,①研究1で作成した女性観尺度,②平等主義的性役割態度スケール短縮版(SESRA-S:鈴木,1994),③性差観スケール(SGC:伊藤,1997)を用いた無記名式の質問紙調査を行った(分析対象203名)。
結果と考察 新たに作成された女性観尺度の妥当性を検討するため,女性観尺度5下位尺度とSESRA-S及びSGCについてPearsonの相関係数を算出した。その結果,SGCと「社会の中で生きづらい」は有意な負の相関(r=-.17),他の下位尺度とは有意な正の関係(r=.35-.59)が示された。一方,SESRA-Sでは「社会の中で生きづらい」とは有意な正(r=.24),「美しくて家庭的(r=-.29)」及び「自立しておらず補佐的(r=-.51)」とは有意な負の関連がみられた。以上の結果から,本研究で作成した女性観尺度の妥当性が確認されると同時に,本尺度では「社会の中での生きづらさ」等の従来の尺度では捉えにくい女性イメージについても測定できる可能性が示唆された。