栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
食餌性繊維定量法の検討
星 清子竹久 文之
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1981 年 34 巻 6 号 p. 583-586

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抄録

食品中の食餌性繊維の定量法を確立する目的で, Van SoestのDetergent法を用いて試料の乾燥処理法, 試料粒度, およびデンプン含量の高い食品についてのα-アミラーゼによるデンプン分解法の点から検討を加え, 次の結果が得られた。
1) 乾燥処理法は真空凍結乾燥法を用いるべきであった。
2) 微粉砕試料はこの測定法には適さなかった。よってウィレー型粉砕機を用いた場合, スクリーン孔0.6~1.0mmスクリーンにて粉砕し, ふるい分けることなく定量に供することが必要であり, ふるい分けによる粒度調製は不適当であった。
3) デンプン含量の高い試料は結晶α-アミラーゼ (150×104 DUN/mg) 5mg以上, リン酸・ホウ酸Buffer pH 7, 35℃にて1時間以上インキュベートするという酵素処理条件で十分であった。なお, 使用した結晶α-アミラーゼ中にはDF測定値に影響する量のヘミセルラーゼは認められなかった。

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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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