栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
午蒡の緑変反応 (第2報)
天婦羅モデル試験による緑変反応の研究
間野 義克時岡 照美川尻 澄江福原 令子
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1964 年 17 巻 2 号 p. 80-84

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抄録

(1) 160℃に維持した大豆白絞油中で天婦羅モデル試験を行ない, 試料中の品温が100℃以上でも緑変反応が生じることを認めた。
(2) コロモ試料の液が塩基性か, 加熱時塩基性となり, タネ試料成分と反応した後においても, 反応生成物が塩基性となる程度にコロモ試料中の塩基量が十分存在することが緑変反応に必要な条件である。
(3) タネ試料中にクロロゲン酸もしくは類縁化合物が存在することが緑変反応の必要条件である。
(4) 含N化合物の存在は緑変反応に必要な条件で, ロイシン, フェニルアラニンなどの共在するとき, 緑変反応強く, 蓚酸アンモンこれにつぎ, シスチン, 尿素などの反応は弱い。バレイショ澱粉, 小麦粉中の含N化合物も緑変反応に関与する。

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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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