2010 年 39 巻 6 号 p. 328-331
症例は65歳の男性.腰痛と発熱を主訴として近医を受診し,腰椎MRIにて化膿性脊椎炎と診断された.また腹部造影CTにて膵尾部に膵膿瘍を,心エコーにて三尖弁位感染性心内膜炎の合併を認めた.三尖弁位の疣腫が急速に増大し,抗生剤による内科的治療に抵抗性を示したので,疣腫摘出および三尖弁形成術を施行した.術後は4週間の抗生剤治療により炎症反応の鎮静化が維持され,術後42日目に独歩退院となった.退院1年後において,感染性心内膜炎,多発膿瘍の再燃を認めていない.