1995 年 24 巻 1 号 p. 36-39
症例は64歳男性で腹痛, ショックを主訴に, 当科に紹介となり腹部エコー, CTの結果, 腹部大動脈瘤破裂と診断され緊急手術となった. Y型人工血管を用いて腹部大動脈を置換したが第2病日よりCPK 18,000IU/l, GOT 1,500IU/lと上昇し, ミオグロビン尿を呈し, 無尿となった. 横紋筋融解症と診断し, 直ちにプラズマフェレーシスを施行し, 循環動態が不安定なため, 急性腎不全に対して, 持続血液濾過透析 (CHDF) を施行した. その後, 通常の血液透析に移行し第25病日目に利尿期となり, 全身状態も改善し, 救命することができた.