AUDIOLOGY JAPAN
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第53回日本聴覚医学会主題演題特集号
「感音難聴とフリーラジカル」 「聴性定常反応 (ASSR) の臨床的意義」
聴性定常反応の閾値に対する加算回数と背景ノイズの影響
伊藤 吏渡辺 知緒阿部 靖弘窪田 俊憲千葉 寛之青柳 優
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2009 年 52 巻 2 号 p. 126-132

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抄録

聴性定常反応 (ASSR) を利用した聴力検査ソフトMASTER® は周波数特異性の高い検査結果が得られ乳幼児の聴力評価に有用であるが, 検査には長時間を必要とする。今回我々は検査時間の短縮と精度の向上のための至適な検査条件を設定するためにASSR閾値に対する加算回数と背景ノイズの影響について検討した。自然睡眠の聴力正常成人と鎮静小児に対し加算回数を16sweeps (5分), 24sweeps (7.5分), 32sweeps (10分) として検査を行ったところ, 成人では加算回数の増加により背景ノイズは減少し, 有意な閾値の改善を得ることができた。これに対し小児では加算増加によりノイズは減少したものの, 閾値の精度向上には寄与しなかった。鎮静小児におけるASSR検査では加算回数は16sweepsで十分であり短時間で精度の高いASSR反応閾値を得ることができると考えられた。

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© 2009 日本聴覚医学会
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