AUDIOLOGY JAPAN
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ネコの頭頂部中間潜時反応と聴皮質誘発電位 覚醒時とペントバルビタール麻酔時との比較
宇野 彰加我 君孝
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1991 年 34 巻 1 号 p. 47-52

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抄録

頭頂部中間潜時反応 (MLR) と聴皮質よりえられる聴性誘発反応のペントバルビタール麻酔による影響を明らかにすることを目的に実験を行った。 成猫11匹の覚醒時とペントバルビタール麻酔時におけるMLRと左右各聴皮質誘発電位の同時記録を行った。 また, MLRと聴皮質誘発電位のペントバルビタール麻酔による経時的変化を調べた。
その結果, 聴皮質の反応と考えられる聴皮質誘発電位の聴性脳幹反応 (ABR) 以後に出現する陽性ピーク (P1) 部分の潜時は麻酔後165分まで有意に延長した。 振幅は麻酔後約30分にて最小の振幅を示した。 その後, 増大に転じ135分から165分後に最大となった。 MLRのABR後に続く陰性ピーク (NA) の潜時は麻酔後135分から165分まで有意に延長した。 振幅は聴皮質誘発電位のP1の変化にほぼ比例して変動し, 有意に高い相関が認められた。
このことからMLRのNAは聴皮質は関連することが示唆された。

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