2015 年 74 巻 4 号 p. 174-178
要旨 症例は66 歳,男性.慢性B 型肝炎のフォロー中に20 mm 大のHCC を指摘された.ICGR15 15%.肝障害度A,Child-Pugh score Grade A,T1N0M0 ステージI と診断した.腫瘍は肝深部に認め,占居部位は術前シミュレーションにて肝S7 と判断した.術中超音波検査は腫瘍の認識は困難であったが,Counterstaining 法で領域を同定し,肝深部は術前シミュレーションを参考に,肝S7 切除を施行した.術後合併症なく第9 病日に退院した.肝機能と腫瘍局在に応じた至適術式の決定に術前3D-CT シミュレーションは有用であった.