日本視能訓練士協会誌
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一般講演
レーザースペックルフローグラフィーにおける視神経乳頭血流の再現性および一致性
小川 莉奈斎藤 彩江黒 友春永野 幸一山口 純庄司 信行
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2021 年 50 巻 p. 129-134

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抄録

【目的】レーザースペックルフローグラフィー(LSFG)における視神経乳頭血流の再現性および検者間の一致性を検討する。

【対象及び方法】緑内障患者28例28眼(年齢66.7±13.4歳)および、屈折異常以外に眼疾患を有さない健常眼20例20眼(年齢41.8±10.0歳)を対象とした。視神経乳頭解析は楕円ラバーバンドを用いて手動にて決定し、解析項目は血流速度の相対値MBR(mean blur rate)を示すMA(全領域)、MV(網膜血管)、MT(乳頭組織)とした。再現性は、眼底写真を参考に解析範囲を決定したものをそれぞれ2回ずつ解析し、Bland-Altman Plot、変動係数(CV)を用いて評価し、2検者間の一致性は級内相関係数(ICC)にて評価した。楕円ラバーバンドの引き方は、以下の2点を条件に方法を統一した。1:乳頭の横幅が最も広い部分を横径とし鼻側から線を引く。2:そこから縦に伸ばし乳頭の上端または下端に達した時点で止め縦径を決定する。

【結果】同一検者内の再現性(CV)は、緑内障群でMA:5.3±2.6%、MV:4.2±3.0%、MT:2.5±4.5%、健常群でMA:3.0±2.6%、MV:4.3±3.9%、MT:3.4±3.1%であった。2検者間の一致性(ICC)は緑内障群(MA:0.992、MV:0.924、MT:0.936)、健常群(MA:0.980、MV:0.919、MT:0.956)であった。

【結論】LSFGにおける視神経乳頭血流解析は、同一検者内の再現性および2検者間の一致性、どちらにおいても良好であった。

図1 ラバーバンドの解析方法 Fullsize Image
本検討で統一した解析時のラバーバンドの引き方、条件を示す ①横径:乳頭の横幅が最も広い部分を採用する ②縦径:ラバーバンドが乳頭の上端または下端に達したら止める ①、②の手順に沿ってラバーバンドを引く
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© 2021 公益社団法人 日本視能訓練士協会
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