1976 年 29 巻 6 号 p. T79-T85
目的 絹鳴りの機構を解明することを目的とし本報では, 絹鳴り測定の一方法とそれによる測定音の振動源について述べ, そして絹鳴りの振動を明らかにしようとする.
成果 1) 2本の繊維束をバイオリン弦のような直交交叉摩擦による摩擦音発生器を試作し摩擦音を発生させた.
2) 本装置は, 機械および外部騒音の影響を無視できた.
3) 測定音は間欠振動で・摩擦のスチックースリップ振動であることを明らかにした.
4) 間欠振動には・弦の横振動に基因する振動音と, 現在, 振動源の不明な約8KHzの振動音が存在する.
5) 絹鳴りにも間欠振動があり, それには約8KHzの振動音が最も多く存在する.