2015 年 57 巻 p. 73-76
三重県南伊勢町のかんきつ園において黄色LED 照明による果実吸蛾類の被害抑制効果の実証試験を行った。試験は2011年と2012年に実施し,2011年には 0.6 W の黄色LED 光源を19個,2012年には 4.3 W の黄色LED 光源を5個設置して試験区内を照明した。その結果,2011年,2012年ともに黄色LED 照明により最大照度 1 lux 以上の照度が確保できた樹では,果実吸蛾類による被害果の発生を抑制できた。それぞれの光源の年間コストと電気料金の合計は同程度であったが,栽培管理作業の障害になりにくい点から,設置数が少なくて済む 4.3 W 黄色LED 光の方が有効と考えられた。