すでに著書として『日本の精神構造序説』、訳業としてウェーバーの『アジア宗教の救済理論』、ウィルソンの『セクト-その宗教社会学』、共訳ではベラーの『日本近代化と宗教倫理』などを世に送っておられる池田教授が、ちかごろ執筆された諸論稿をまとめられたものが、この著作である。発表の折々に拝見したもの、未見であった重要な論文などに、あらためて接しえて、わが国におけるウェーバーの宗教社会学理解の水準の高さを確認することができたのは、まことに幸福である。
扱われれている論題が多岐にわたるので、一〇篇の論文の標題を、繁をいとわずに掲げて、この著作の豊かな内容をうかがう、一つの手がかりともしたい。