Trends in Glycoscience and Glycotechnology
Online ISSN : 1883-2113
Print ISSN : 0915-7352
ISSN-L : 0915-7352
ミニレビュー(日本語)
腸内細菌におけるβ-L-アラビノフラノシダーゼの役割
藤田 清貴 石渡 明弘伏信 進矢
著者情報
ジャーナル 認証あり

2024 年 36 巻 210 号 p. J35-J38

詳細
抄録

糖加水分解酵素ファミリー127/137/142/146に属するβ-L-arabinofuranosidase(β-Arafase)は、植物多糖や植物糖タンパク質の修飾糖であるβ-L-アラビノフラノシド(Araf)を分解する糖質加水分解酵素である。ヒトの主要な腸内細菌であるビフィズス菌Bifidobacterium longum ssp. longumやバクテロイデス属細菌Bacteroides thetaiotaomicron由来のβ-Arafaseの機能解析と結晶構造解析の進展により、腸内細菌が食物繊維を効率良く分解するために、修飾糖の除去を担うβ-Arafaseの重要性が明らかになってきた。本ミニレビューでは、植物多糖や植物糖タンパク質におけるβ-Arafの分布と腸内細菌由来のβ-Arafaseの機能・構造解析によって明らかにされた知見について解説する。

著者関連情報
© 2024 FCCA (Forum: Carbohydrates Coming of Age)
前の記事 次の記事
feedback
Top