日本外科系連合学会誌
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症例報告
Peutz-Jeghers型ポリープにより小腸重積をきたした1例
高橋 慶太 藤崎 宗春梶 沙友里小郷 桃子篠原 万里枝谷田部 沙織藤田 明彦金井 秀樹篠原 寿彦羽生 信義
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2016 年 41 巻 2 号 p. 221-226

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抄録

症例はPeutz-Jeghers症候群の既往を持つ27歳女性で,2014年8月に心窩部痛,嘔吐を主訴に当院救急受診となった.腹部CT検査にて小腸3カ所にPeutz-Jeghers型ポリープが原因と思われる小腸重積を認め,同日緊急手術を施行した.
腹部正中切開にて開腹したところ,腸重積は2カ所認められ,1カ所は自然に解除されていた.空腸の腸重積は約15cmの小腸を切除して回腸の2カ所は腸管切開を行い,内部のポリープを切除した.病理組織検査ではPeutz-Jeghers型ポリープとして矛盾しない所見であった.
Peutz-Jeghers型ポリープは過去の報告より,20mm以上で腸重積の原因となりうるとする報告が多い.また,10mm以上でポリープの癌化リスクがあるとの報告があり,今後1~2年おきの小腸および大腸内視鏡検査を行い10mm以上のポリープに関しては内視鏡的に切除することが望ましいと言える.

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© 2016 日本外科系連合学会
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