日本外科系連合学会誌
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症例報告
皮下転移をきたした盲腸癌の1例
大饗 園子島田 翔士中原 健太日高 英二石田 文生工藤 進英
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キーワード: 大腸癌, 皮下転移
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2019 年 44 巻 2 号 p. 238-243

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抄録

症例は69歳,女性.盲腸癌(cT4bN1M0cStage Ⅲa)に対して回盲部切除術(D3郭清),同時に卵巣莢膜細胞腫・子宮平滑筋腫・子宮内膜ポリープに対して子宮全摘+両側付属器切除術を施行後,Capecitabine単剤を8コース投与し経過観察していたところ,術後1年11カ月後の胸腹部造影CTで左前胸部皮下腫瘍を認めた.徐々に増大傾向にあったため,術後2年4カ月後に左前胸部皮下腫瘍摘出術を施行した.病理組織学的検査では盲腸癌の皮下転移と診断された.術後は化学療法を施行せず経過観察している.

大腸癌を含め,内臓癌の皮膚・皮下転移は全身転移の一所見として捉えられる.しかし自験例のような単発皮下転移は切除により長期予後を期待出来る症例もあるため,徐々に増大するような皮膚・皮下腫瘍を発見した際は積極的に切除することが望ましいと考える.

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© 2019 日本外科系連合学会
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