色材協会誌
Online ISSN : 1883-2199
Print ISSN : 0010-180X
ISSN-L : 0010-180X
カチオン性高分子と硫酸アルミニウムによる製紙工場の廃水の浄化
赤金 華津男G. G. ALLAN
著者情報
ジャーナル フリー

1973 年 46 巻 6 号 p. 365-369

詳細
抄録

製紙工場から排出される汚水の主成分はリグノスルホン酸塩, クラフトリグニン, ヘミセルロース, ファイバーファインFiber-fine等である。これらの物質は水中において荷電を持ってかなり安定なコロイド, またはサスペソションをつくっているので凝集沈殿させて浄化するのは非常に困難である。従来から浄化するのに硫酸アルミニウム (Alum) がしぼしば使用されてきた。しかしながらその働きは不十分である。しかしポリエチレンイミン (PEI), プロテイン (Protein), キトサン (Chitosan) 等のカチオン性高分子を少量添加することによりかなり浄化されることがわかった。
これらカチオン性高分子だけではまだ十分でないが, Alumと併用することにより99%以上のリグノスルホン酸塩クラブトリグニン, ファイバーファインを凝集沈殿させて除去できることがわかった。

著者関連情報
© 一般社団法人 色材協会
次の記事
feedback
Top