日本透析医学会雑誌
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短報
個室のない透析室におけるCOVID‒19入院患者の血液透析の経験と実際
寺元 久美恵楠 康生大河原 桃子池田 夏子山本 聡子南 尚吾滝本 拳小泉 良介大橋 芳江片山 文子岩崎 守弘大久保 和実山中 賀代竹治 正展
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2021 年 54 巻 4 号 p. 177-181

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抄録

新型コロナウイルス感染症(COVID‒19)は収束のめどが立たず,透析患者の感染者数も増加している一方で,透析患者を受け入れ可能な入院施設は限定されている.当院の病棟には配管設備がなく病棟個室での血液透析は難しいことから,複数の透析ベッドを用意するには透析室での実施が避けられず,そのためには感染症病棟から透析室への患者移送が必要であった.また透析室には個室がないため,感染者との濃厚接触の定義を考慮した透析室のゾーニングと,日本透析医学会からの提言に基づいたベッド配置を行った.感染防御に関する各指針に基づき患者移送および透析室での対策を行うことで院内感染をひき起こすことなく2020年4月から10月までの間に計17例のCOVID‒19患者の血液透析を行った.本稿では移送や透析室での感染防御に焦点を当てて報告する.

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© 2021 一般社団法人 日本透析医学会
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