日本透析医学会雑誌
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慢性便秘症治療薬ルビプロストンは透析患者の高リン血症を改善する
王 麗楊用稲 栄寒川 昌平谷野 彰子山田 佐知子桑原 隆
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2018 年 51 巻 10 号 p. 617-620

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抄録

【目的】われわれはクロライドチャネル活性化下剤であるルビプロストンの透析患者に対する血清電解質に及ぼす影響を検討した. 【対象と方法】従来の便秘薬では効果のない慢性便秘症の血液透析患者7名に本薬を追加投与し, 血清電解質の変化を8週間検討した. 【結果】全例で排便の改善を認めたが, 1名が嘔気のため2週後に, 2名が下痢のため4週後, 6週後に内服を中止した. 血中リン濃度 (mg/dL) は, 投与2週後には, 5.8±0.9から5.1±0.8 (n=7, p=0.034) へと低下し, 4週後には継続した6名中5名, 8週後には4名全例で投与前より低い値を維持した. 中止例はすべて中止後リン値が上昇した. 投与前後2週間では, 収縮期血圧は変化を認めなかったが, 投与前除水困難の症例を除く6例全例で除水量が減少した. 【結論】ルビプロストンは慢性便秘症の透析患者の高リン血症を改善した.

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© 2018 一般社団法人 日本透析医学会
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