日本透析医学会雑誌
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症例報告
γ-アミノ酪酸(GABA)アナログ製剤による運動障害を認めた長期血液透析患者2症例
足立 尚登二宮 幹司松岡 英子柴田 加代子馬淵 非砂夫岩元 則幸
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2011 年 45 巻 2 号 p. 171-174

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抄録

γ-アミノ酪酸(GABA)アナログ製剤の単回投与により下肢の脱力を認めた血液透析患者2症例に関して報告する.血液透析歴は,それぞれ23年と31年と長期間であった.どちらの患者も不眠症に対してベンゾジアゼピン受容体作用薬を使用し,破壊性脊椎症で生じた脊柱管狭窄症による神経痛を訴えていた.プレガバリン(25mg)またはガバペンチン(200mg)の少量1回投与で数時間後から下肢の脱力,歩行障害が生じた.いずれの薬剤も疼痛に対して無効であった.これらの薬剤による運動障害は,血液透析を受けることなく翌日完全に回復した.GABAアナログの効果を増強する薬剤を併用している無尿の長期血液透析患者へのGABAアナログ投与は慎重に行うべきである.

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© 2011 一般社団法人 日本透析医学会
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