日本透析医学会雑誌
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直腸癌両側腎転移にて腎摘出後, 血液透析導入となった症例における5-FU 24時間持続静注時の血中動態
亀山 久子足立 陽子西尾 晃中村 充男武田 和夫中川 雅夫
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キーワード: 血液透析, 血中動態
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2003 年 36 巻 4 号 p. 289-291

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抄録

症例は55歳, 女性. 直腸癌両側腎転移にて腎摘出後血液透析導入となり, 多発性肺転移に対し5-fluorouracil (5-FU) 24時間持続静注を施行, その血中動態について正常腎機能患者と比較し検討した. 5-FU 1,000mgを週1回24時間持続静注を施行し, 投与開始から24時間後の透析開始前まで血中濃度を測定した. ほぼ対照と同様の血中動態を示し, 最高血中濃度は0.42μg/mLに達したが対照の約1.3倍にとどまり副作用は認めなかった. 5-FUは80%が肝代謝であり, 半減期も短く, また時間依存性に作用する薬剤であることから, 持続静注は透析患者においても有効かつ安全な投与法であると考えられる.

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