日本透析医学会雑誌
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ブラッドアクセス穿刺部位の消毒方法および有効性の検討
赤堀 良恵須藤 勉中野 美佳市村 恭子大薗 英一栗原 怜高橋 秀実
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2003 年 36 巻 10 号 p. 1539-1544

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抄録

一般に血液透析開始時にブラッドアクセス穿刺部位の消毒については, 施設ごとに消毒手技が異なり, 標準的な方法は確立されていない. 当院では, 消毒剤を塗布した後, 10-30秒以内に滅菌ガーゼで拭き取るという簡便な手技「ふき取り法」を用いている. この方法で, povidone-iodine (PI) およびchlorhexidine (CH) を用いた場合の消毒効果を, 維持血液透析患者の穿刺部で評価した. 10%PIでは, 12例中11例で消毒後に生菌を認めず, 残りの1例でも生菌数は98%減少した. 一方, 0.05%CHを用いて「ふき取り法」を行った場合, 生菌数を0にできたものは1/7例であった. これらの結果から, 「ふき取り法」による10%PI消毒は有効であると思われた.

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