日本透析医学会雑誌
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CAPDカテーテル出口部感染症と皮膚pH acid mantleの関連性
栗山 哲友成 治夫林 文宏沼田 美和子木村 弘章鹿目 一礼海老原 全川口 良人細谷 龍男
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1998 年 31 巻 6 号 p. 997-1000

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抄録

カテーテル出口部感染症 (exit-site infection: ESI) はCAPD治療の継続に大きく影響する. 本研究ではCAPD患者の皮膚pHの特徴とESIとの関連性を検討した.
1) 前腕皮膚pHはCAPD患者では5.04±0.47 (n=37), HD患者では5.20±0.40 (n=31), 健常人では4.65±0.46 (n=38) であり, 健常人と透析患者 (CAPDとHD) との比較で後者が有意に高値 (アルカリ化) であった (p<0.01). 2) CAPD患者でカテーテル挿入近接部, 挿入部から10cm以上離れた臍近傍腹部, および前腕部で測定した皮膚pHは, 相互にほぼ近似し有意な正相関を認めた. 3) CAPD患者のカテーテル挿入近接部皮膚pHとESIの重症度とには有意の相関を認めた.
以上, CAPD患者では健常人に比べ皮膚pHが高値を呈している. また, ESIは皮膚pHが高値の患者で好発する可能性が示唆された.

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© 社団法人 日本透析医学会
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