日本透析医学会雑誌
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Glufosinate中毒による中枢神経障害にたいして血液透析および直接血液灌流法が奏功した1例
吉田 京介大友 晋
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1995 年 28 巻 10 号 p. 1379-1382

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抄録

遅発性に意識障害および呼吸停止をきたしたが, 血液浄化法および4日間の人工呼吸法にて救命しえたglufosinate中毒の1例を経験したので報告する. 患者は47歳の女性. 1994年11月27日, 自宅でバスタ®液剤推定約100ml服用. 近医で胃洗浄後, 11月28日, 服用約21時間後に当院転送された. 来院時すでに意識障害と軽度呼吸困難認められたが, 来院後すぐに呼吸停止をきたしたため, 挿管後人工呼吸器にて酸素投与を行った. そしてglufosinate除去目的でHDとDHPの併用を計4回16時間行った. 第4病日には意識清明となり, 第10病日に退院となった. 患者には-過性の麻痺性イレウスが認められた. glufosinate中毒では遅発性に呼吸停止あるいは意識障害といった中枢神経障害が起こりうるので, 服用後1-2日間は少なくとも十分注意する必要があると考えられた.

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