日本森林学会誌
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短報
UAVによる海岸林のマツ枯れ被害の時系列観測
小林 裕之 松浦 崇遠
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ジャーナル オープンアクセス

2022 年 104 巻 2 号 p. 99-105

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抄録

マツ枯れ被害木の早期発見と地上調査での見落とし防止を目的として,海岸クロマツ林の1区画(約130 × 40 m)において,光学カメラ搭載UAVとマルチスペクトルカメラ搭載UAVによる時系列観測と地上調査を行った。NDVIおよびRGB画像の目視判読により,2019年7月31日,8月15日,8月28日,9月18日でそれぞれ5,3,3,6カ所のNDVI低下域または樹冠の変色域が抽出され,9月17日までの地上調査によって確認されたマツ枯れ木26本のうち,16本がこれら17カ所の領域内とその近辺に存在した(検出率=61.5%)。空撮画像の判読による検出には一定の限界はあるが,約6割のマツ枯れ木を検出できれば,その周辺を精細に地上調査する契機となり,上空および地上からのクロスチェックによって見落としを防止できると考えられた。NDVI画像はRGB画像よりも2週間程度早く被害木を検出できる可能性も示唆された。

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© 2022 一般社団法人 日本森林学会

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