脳卒中
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脳梗塞を合併したfibromuscular dysplasiaの1剖検例
石川 剛久倉科 智行中村 優子嶋崎 晴雄瀧山 嘉久中野 今治佐久間 裕司田中 亨
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2006 年 28 巻 2 号 p. 318-323

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抄録

Fibromuscular dysplasia(FMD)による脳梗塞の1剖検例を報告した.高血圧,高脂血症,喫煙,家族歴という多数の危険因子を有する43歳女性が左不全片麻痺のため当科に入院した.頭部MRIでは右大脳半球の一部に急性期梗塞の所見を,頸動脈ドプラーエコーでは左内頚動脈に軽度の動脈硬化性変化を認めたが,MRAは体動により評価困難であった.経過良好であったが,第14病日に左片麻痺が進行し。頭部MRIでは右中大脳動脈領域に一部出血を伴う広範な梗塞が認められた.第16病日には脳ヘルニアが進行し,第18病日に死亡した.剖検では高度な腫脹を伴う右大脳半球広範の出血性梗塞の他,右中大脳動脈には内弾性板の断裂,中膜の菲薄化や解離による瘤状変化が認められた.同様の血管病変が他部位にも確認されたことから,FMDに基づく中膜解離による動脈の狭窄ないし閉塞が原因で発症した脳梗塞と考えられた.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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