脳卒中
Online ISSN : 1883-1923
Print ISSN : 0912-0726
ISSN-L : 0912-0726
ヒト脳梗塞巣におけるInterleukin-6発現の意義について
小松本 悟五十棲 一男小島 勝鈴木 慶二奈良 昌治
著者情報
ジャーナル フリー

1997 年 19 巻 2 号 p. 103-109

詳細
抄録

ヒトInterleukin-6 (IL6) は生体防御にとって重要な役割を果たしているサイトカインのひとつである.今回, 我々は脳梗塞巣の血管内皮細胞およびastrocyteにおいてIL6の発現を免疫組織学的に検討した.急性期脳梗塞巣では血管内皮, astrocyteにIL-6の発現は認められなかった.一方, 慢性期脳梗塞巣では梗塞周辺部の血管内皮および腫大したastrocyteにIL-6が証明された.さらにEndothelin-1 (ET-1) は慢性期脳梗塞巣の梗塞周辺部の血管内皮細胞とastrocyteに発現していることを免疫組織学的にも証明した.慢性期脳梗塞巣におけるIL-6とET-1陽性の血管内皮細胞とastrocyteの分布はほぼ一致していた.

著者関連情報
© 一般社団法人 日本脳卒中学会
前の記事 次の記事
feedback
Top