1997 年 19 巻 2 号 p. 103-109
ヒトInterleukin-6 (IL6) は生体防御にとって重要な役割を果たしているサイトカインのひとつである.今回, 我々は脳梗塞巣の血管内皮細胞およびastrocyteにおいてIL6の発現を免疫組織学的に検討した.急性期脳梗塞巣では血管内皮, astrocyteにIL-6の発現は認められなかった.一方, 慢性期脳梗塞巣では梗塞周辺部の血管内皮および腫大したastrocyteにIL-6が証明された.さらにEndothelin-1 (ET-1) は慢性期脳梗塞巣の梗塞周辺部の血管内皮細胞とastrocyteに発現していることを免疫組織学的にも証明した.慢性期脳梗塞巣におけるIL-6とET-1陽性の血管内皮細胞とastrocyteの分布はほぼ一致していた.