1988 年 10 巻 1 号 p. 16-24
D-Ala2-Met5-enkephlinamide (enkephalin) 静注による上頸交感神経節 (SCG) 電気刺激に対するネコ脳軟膜血管反応性の変化を検討した.ネコ脳軟膜血管口径は頭窓よりvideocamera-photoelectric systemを用いて連続的に観察記録した.SCG刺激による最大収縮率は大口径軟膜動脈 (平均口径113±11μm) でenkephalin投与前-9.1±1.3%から, enke-phalin投与後-3.4±0.9%, 小口径軟膜動脈 (56±5μm) では-19.7±4.7%から-7.8±2.1%となり, それぞれ収縮は有意に減弱した.以上より, enkephalinはSCG節後に作用しており, 末梢性に交感神経系を抑制していることが示唆された.