2015 年 26 巻 6 号 p. 474-485
2001 年 1 月に「循環型社会形成推進基本法」が完全施行された。わが国は,循環型社会の形成を目指し,企業活動等に伴い発生する多種多様な廃棄物を,安全かつ総合的に,きっちりと後始末 (処理および再資源化) できる廃棄物処理業と資源リサイクル業が一体となった静脈産業の誕生を期待した。あれから 15 年たったが,まだ発展途上の状態である。
静脈産業は,動脈産業と一心同体,表裏一体の関係でありステークホルダーでもある。人口減少や高齢化社会の到来が明らかになった今,多くの動脈産業は経済成長が期待されるアジア地域へ生産拠点を移転しはじめた。そして静脈産業も製造産業のパートナーとしてアジア地域を市場として意識せざるをえなくなった。アジア地域には欧米のリサイクルメジャーが既に進出している。国内の静脈産業が将来,市場を争う相手は,欧米のリサイクルメジャーであることはほぼ間違いない。欧米のリサイクルメジャーと比肩できる企業を作り上げる必要がある。今こそ,日本発! リサイクルメジャーを作りあげるときである。