日本東洋医学雑誌
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関節リウマチの増悪に対し桂姜棗草黄辛附湯が速やかに効果を示した一例
森 昭憲関矢 信康堀江 延和引網 宏彰後藤 博三嶋田 豊寺澤 捷年
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2004 年 55 巻 4 号 p. 469-472

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抄録

桂姜棗草黄辛附湯が奏功した関節リウマチの1症例を経験した。症例は56歳, 女性。1992年より関節リウマチにて当科通院中。2003年4月初旬より多関節の疼痛と腫脹が増悪し, CRP, 赤沈の著明な上昇も認め, 〓入院。漢方方剤を変更したが改善しなかった。〓頃より心窩部の隆起が明らかとなり, 腹証を「辺旋杯」の状態ととらえた。〓に桂姜棗草黄辛附湯に転方し, 翌日より多関節の疼痛と腫脹, 及び心窩部の隆起が改善し始め,炎症反応も改善した。「辺旋杯」の腹証や「気分」,「水飮」に着目し桂姜棗草黄辛附湯を投与したところ, 速やかに奏効した症例と考えられた。

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