日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡下に切除しTAPP法で治療した鼠径ヘルニアを伴った大網捻転の1例
中尾 詠一中嶌 雅之前橋 学柿添 学小野 秀高杉田 光隆
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2017 年 78 巻 8 号 p. 1932-1936

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抄録

症例は43歳,男性.腹痛を自覚後,3日間症状が改善しないため,他院を受診した.腸間膜脂肪織炎の診断で入院し,抗菌薬投与による保存的治療を受けた.2週間で炎症反応の改善を認め退院したが,腹痛が改善しないため,退院3週間後に当院を受診した.CTの所見より大網捻転と診断し,また右鼠径ヘルニアを同時に認めていた.症状発生から約2カ月後,腹腔鏡下大網切除術・腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術(TAPP法)を同時に施行した.術後3日で合併症なく退院した.大網捻転に鼠径ヘルニアを併発している症例は多いが,TAPP法で同時に治療した症例の報告はなく,文献的考察を加え報告する.

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© 2017 日本臨床外科学会
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