日本臨床外科学会雑誌
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臨床経験
大腸癌の肺門・縦隔転移リンパ節を切除した11例
武田 正片岡 正文河本 洋伸丸山 昌伸新田 泰樹赤在 義浩
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2017 年 78 巻 6 号 p. 1201-1206

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抄録

大腸癌の肺門・縦隔リンパ節転移は予後が極めて不良とされ,手術の治療効果は明らかでは無い.今回,2001年1月から2014年12月までに当院にて大腸癌手術を行い,その後,肺門縦隔リンパ節転移に対して外科的切除を行った11例を対象とし,臨床経過,予後について検討した.大腸癌初発時の平均年齢は62歳,StageはI/II/III/IVが1例/2例/5例/3例であり,二期的手術を含め全てR0手術となった.初回手術から肺門縦隔リンパ節転移手術までの期間は平均39カ月で11例中9例では異時性ないし同時性に肺転移を有していた.4例は無再発生存中で,3年生存率は70%,5年生存率56%と良好であった.死亡4例の生存期間の平均は25.6カ月(中央値22カ月)で肺切除後比較的長期生存していた.集学的治療のmodalityとして肺門・縦隔リンパ節転移の切除が適応となる症例が存在すると考えられた.

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